「ミガキイチゴ」を口いっぱいに!「いちびこ」の贅沢ショートケーキ

クリームの中にイチゴが丸ごと入った夢のようなショートケーキを食べたことがありますか?

三軒茶屋から徒歩約10分、閑静な住宅街にひっそりと佇むイチゴ専門スイーツ店「いちびこ」では、ワンカットに約5個分のイチゴが入ったショートケーキを頂く事ができます。クリームに包まれた丸ごとイチゴが、口の中で甘酸っぱくはじける食感は贅沢そのもの。
一般的なショートケーキに挟まれているスライスイチゴとは比べ物にならない程のジューシーさとフレッシュさ。まろやかなクリームとイチゴの甘酸っぱさの程よいバランスがとろけるように口全体に広がります。

こんな贅沢がたったの550円!
それもそのはず、ここ「いちびこ」は、宮城県山元町を中心に栽培されているブランドイチゴ「ミガキイチゴ」のブランド直営店なのです。「いちびこ」オーナーで、「ミガキイチゴ」のブランディングを手掛ける農業生産法人GRA営業の竹本顕路さんに、その美味しさの秘密を伺いました。

「ミガキイチゴ」とは


その高い品質と見た目の美しさから「食べる宝石」として大人気の「ミガキイチゴ」とは、伝統的な栽培技術に最先端の技術を融合したイチゴのブランド名のこと。「とちおとめ」「もういっこ」「よつぼし」の三種類の品種が、「ミガキイチゴ」独自の製法によって、宮城県山元町を中心に神奈川県や愛知県など日本各地で栽培されています。

「ミガキイチゴ」のブランドとしての一番の特徴は、その時期に一番美味しい品種が完熟状態で出荷されること。農家が生産だけでなく販売までを一貫して自社で行っているので、品質の高いイチゴを素早く比較的安定的に出荷することが可能なのです。甘酸っぱい味もさることながら、大粒で形の良いイチゴは、「ミガキイチゴプラチナ」や「ミガキイチゴゴールド」の名で百貨店の贈答用フルーツとして販売されています。中には一粒1000円以上の価格がつくものもあるのだとか。
そんな贅沢極まりない「ミガキイチゴ」ですが、その開発の裏には2011年の東日本大震災の影がありました。

イチゴ栽培は生きがい…「ミガキイチゴ」誕生のきっかけ


2011年3月11日、東日本大震災直後の津波被害によって、宮城県山元町の100棟を超えるイチゴハウスのほぼ全てが流されてしまいました。
塩害によって土壌の再建は厳しいとされる状況の中、「イチゴ栽培は生きがい」というイチゴ農家の人々の声に後押しされるように生まれたのが「ミガキイチゴ」でした。土から離れざるを得なかった山元町でのイチゴ栽培は、土が無くても栽培できるというメリットを生かした最先端の農業モデルの確立へと大きな目標を見出して進む事になったのです。

「ミガキイチゴ」ブランドの開発と生産を行っている農業生産法人GRAは、「実行実現」を行動指針の一つに掲げています。その言葉通り、震災から半年も経たない2011年7月には「ミガキイチゴ」の生産販売だけでなく、輸出や海外での生産、農業技術の研究開発、加工品の開発と販路の開拓などを見据えた事業内容をまとめ、創業へと踏み出しました。

代表取締役CEOの岩佐大輝さんはITベンチャー出身。自らが新規農業参入者である自覚とともに、まずは新規事業者も参入しやすいシステムの構築に全力を投じました。
GRAでは、ベテランイチゴ農家の栽培方法を全てデータ化し、最先端の技術を駆使。湿度や温度、日射量などのハウス内の環境を全自動で管理する自動環境制御装置を採用しています。それによって、新規参入者でもすぐに質の良いイチゴを効率的に栽培できるようになったのだと言います。

農業技術の研究開発にも余念がなく、冷却システムや病害虫管理、自動収穫ロボなどの実験も稼働中。生産性と品質の両方の面でこれまで以上に効率的な栽培方法を日々研究しているのだとか。研修制度も充実しており、毎年たくさんの研修生が新規参入者として山元町を訪れるようになりました。

ビジネスモデル確立へ。イチゴスイーツ専門店「いちびこ」オープン


持続可能で且つ日本各地で栽培できるイチゴ農業のモデルができたところで、GRAが掲げた次なる目標は独自の販路作りでした。
従来の農業では、農家は生産業だけを行い、販売は別の団体が担うというスタイルが一般的でした。しかしGRAは自社商品のブランディングを始め、販売や加工品開発、輸出までも自らの手で行おうと考えたのです。

第一次産業から第三次産業までを一貫して行う事によって、利益率が格段に上がります。農業を利益率の高いビジネスモデルとして確立することこそが、事業主の安定的な暮らしに繋がり、雇用を生み出したり地方の発展につながっていったりと考えたのです。

「いちびこ」はそんなビジネスモデルの最終地点。GRA直営のイチゴスイーツ専門店第一号として2017年夏にオープンしました。百貨店の贈答用コーナーに並ぶ超高級品の「ミガキイチゴ」を、より手軽に楽しむ事ができる地域の憩いの場がここ「いちびこ」です。

街のイチゴ屋さんとして


毎朝、契約している「ミガキイチゴ」栽培農家から何箱もの「ミガキイチゴ」が配達されるところから「いちびこ」の一日は始まります。
筆者が取材のため開店前に店内にお邪魔した時も、ちょうどイチゴが届いたところでした。

収穫されたばかりの新鮮なイチゴは、一番人気のショートケーキの他、ミルフィーユやビスキュイ、ロールケーキやタルトなど、イチゴ好きにはたまらないイチゴスイーツの数々に変身していきます。これからの夏の季節は、イチゴの生産が途切れてしまうため、冷凍イチゴを使ったかき氷やソフトクリームなどの冷たいスイーツがメインになりますが、イチゴの旬の時期には、「いちびこ」店内で「ミガキイチゴ」をパック買いする事もできるのだそう。イチゴ農家から直接仕入れる事ができる「いちびこ」だからこそのユニークな営業方法です。

三軒茶屋から世田谷線沿いに徒歩10分程の場所にある「いちびこ」の立地は、利便性の面では抜群とは言えません。しかしオープンから1年経たずして、11時の開店からイチゴスイーツ目当てのお客さんがひっきりなしに訪れる人気店となっています。「ミガキイチゴ」の美味しさと、それを贅沢に使用したイチゴスイーツの魅力が、インスタグラムなどのSNSを通じて口コミで広がったと竹本さんは言います。

お客さんの中には、イチゴを使ったケーキとイチゴドリンクのダブル注文で、イチゴ三昧を満喫する方もちらほら。丸ごとイチゴに惹かれてショートケーキを注文した筆者でしたが、イチゴの甘酸っぱさとクリームの控えめな甘さのバランスが絶妙で、ペロリと完食。ダブルで注文するお客さんの気持ちがとてもよく理解できた瞬間でした。

イチゴが繋ぐ地域の絆、人々の夢

地方の産業を元気にしたいというGRAの精神は、「いちびこ」にも根付いています。住宅地の一角にある「いちびこ」の店の前には店名を表示した看板はなく、通りに面した大きな窓と入口のドアがあるだけ。しかしその大きな窓の向こうに美味しそうに並ぶイチゴスイーツや、窓ごしでも挨拶してくれる笑顔の店員さんを見ていると、このお店が地域に溶け込んでいるのがよくわかります。

「いちびこ」のこの親しげな雰囲気はとても心地よく、中にはドアを開けて一言会話していくだけのお客さんや、「いつもの」の一言でスイーツを注文していく常連客の姿も。近くに小学校がある場所柄、子供連れのお客さんが訪れる事も多いのだそう。昨年行われた地域のハロウィンイベントでは特製のイチゴクッキーを提供したり、店の前ではプランターでイチゴを育てていたりと、「いちびこ」の存在が子供たちの「食育」の場となればと、竹本さんは語ります。

鳥獣戯画のウサギをモチーフにしたロゴは、一見すると和菓子屋を彷彿させるような和風の印象を与えます。また「いちびこ」という店名は、イチゴの語源となった古い日本の言葉なのだとか。

実は日本にイチゴが入ってきたのは今から1200年程前。その時代から「美味しいイチゴを食べたい」という変わらない想いを「いちびこ」は受け継いでいるのだと言います。宮城県山元町を始めとする日本各地で古くから続くイチゴ農家の夢を、これからもずっと持ち続けていく…「いちびこ」のイチゴスイーツには、そんな未来への希望と決意がぎゅっと凝縮されていました。

「いちびこ」
営業時間:11:00~19:00
住所:東京都世田谷区太子堂5-8-3
電話番号:03-6450-8750
HP:https://ichibiko.net/

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