特別栽培でいちご作りに取り組む岡本農園(愛知県)取材記
今回は、無農薬野菜や有機野菜を中心に取り扱う、ふるさと21でいちごを販売されている愛知県豊川市の岡本農園 岡本武志さんにお話を伺いました。
「少しでも安心して食べていただけるよう出来る限りの農薬を減らす努力をしています」と語る岡本さんは、化学肥料や殺虫剤を一切使用せず、いちご作りに取り組んでいらっしゃいます。
温暖で日照時間が長い愛知県で育ったいちごは甘みが強く、ジューシーで光沢があるので贈り物にも最適です。
特別栽培でのご苦労や、いちご栽培に取り組まれるようになったきっかけについて教えていただきました。
いちご栽培に取り組まれて何年になりますか?
平成10年から取り組んでいるので、今年で21年目になります。
農場について教えてください。
ハウス単棟が2つあり、そこが5アール。5連棟が13.5アールなので、合計18.5アールで行っています。
実質4人でいちごを栽培しています。家族では家内がパック詰めなどを手伝ってくれますし、昭和13年生まれのおばあちゃんも少し手伝ってくれています。御年81歳で元気です。
それとパートの方2名が、半日ずつといったように交代で手伝ってくれています。
なぜ特別栽培に取り組もうと思ったのでしょうか?
はい。元々の無農薬の農産物を作りたいという思いがありました。
父が体調を崩したときに父がMOA自然農法に出会い、いつの日か父とMOA自然農法の会場で映像も使ったりした説明を聞いたのがきっかけです。その頃、私はまだ学生でした。
味が良くて体に良いのであればその方が良い、減農薬の特別栽培でも作ろうと思えば作れるのだと、その時に思いました。
ただ、MOA自然農法の中だけだと先駆者もいないので、どうやって栽培していこうという時期もありました。
農協にも出荷しているのですが、いろいろ知り合いもできて、そこで勉強になっている事が多く、感謝しています。
いちごは農薬をたくさん使うと聞きますが、通常であればどれくらいの種類の農薬を使いますか?
慣行農法では週に3種類を1回、定植がだいたい9月ですから9月から9ヶ月くらい52回は散布すると聞いています
主に使用するのは、殺虫剤や殺菌剤、土壌消毒剤などです。
特別栽培ということで、岡本さんのところではどこまで削減していますか?そこにはどんな工夫があるのでしょうか?
月に1回を目安に、慣行農法の使用3分の1ぐらいで頑張っています。
今後は4分の1までを目指す事も考えています。
天敵農薬(天敵を食べる農薬)、微生物農薬(天敵にカビを生えさせる農薬)を優先して使っています。調節しながら、なるべく天敵が活躍する環境を整えているよう心掛けています。上手くいかないときもありますけどね(笑)
そのために手間が増えると思いますが、その頑張ろうと思う力の源はなんでしょうか?
そういう風に自分で決めているだけ。他の事(慣行農法の選択)はありません。
良いものを作れたら、解ってくれる人に妥当な値段で買って貰いたいですね。美味しいと思ってくれたら嬉しいものですし。
岡本さんの作っているいちごの種類とその特徴、そしてなぜそれを選んだのかを教えてください。
『ゆめのか』です。最近、注目されている品種です。
良いところはまず、いっぱい採れる事(笑)。もちろん味が良い事もそうですし、手ずれが少ない丈夫な品種なんです。
手ずれで黒くなると市場では半額になるので、この対策にとてもいいです。
先日、某所で色々な品種のイチゴの食べ比べがあって若い職員たちが率先して規格したそうです。20種類ぐらいあったかな….自分のイチゴより美味しいと思ったのが1つだけありました。岐阜の方の生産者で有名な方らしいのですが、『美人姫』という品種で1粒が子供のこぶし大ぐらいで1パック700g、7,000円もするそうですが美味しかったです。
どんな方が買われていくことが多いですか?
お財布にゆとりがある人が購入していると思います。
あとは食べて美味しかったからというリピーターさん。
また、ドクターが購入されているのを知りました。その方が届け先別で2件の注文を頂いて、その届け先から、とても美味しかったというメッセージが帰ってきてとてもうれしかったです。
店先販売でイチゴは1パック500円~600円が普通です。700円超えると普通は買えないと思いますが、隣に1,200円のイチゴがあれば買っていくかもしれないと考えたりもします。
最後に伝えたいことがあればお願いします。
いまやっているNHK朝ドラの「まんぷく」が大好きで毎日、見ています。
ドラマをみていると、自分が願っていればそれは叶う、叶えられるような気がしてくるという風に思わせてくれますし、そうなりたいです。
他の生産者や、これからの後につながる人たちの希望になれるように頑張りたいですね。
いまでも水やりが少なくてダメだったなという時もあります。
これから年間の作業をマニュアルにしていこうとしています。
作業工程が多く、後から気が付くと抜けていたとか、この時こうすればよかったとかありますが、これからも改善、改善を重ねてがんばります。
<参考サイト>
いちごコーナー|無農薬・自然農法・有機農産物などの産直通販 ふるさと21
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