日本の県別いちごの雑学~栃木県編~

日本には47都道府県があり、それぞれの県で作られている品種やいちごの出荷量が異なります。県によっては代表的な品種や栽培されている県のイチオシ秘密等、エピソードがあります。今回は、栃木県のいちごの品種や出荷量、雑学に関して紹介します。知るだけで、手に取るポイントや楽しい一時になれば幸いです。

栃木県のいちごの生産量

栃木県はいちごの生産数で日本一なのです。実際に収穫量を見ると2位の福岡県に比べて生産量がダントツに多く、日本での全国生産量でも15%を誇ります。

順位 都道府県 収穫量 割合
1位 栃木県 24,900t 15.40%
2位 福岡県 16,300t 10.10%
3位 熊本県 11,200t 6.90%
4位 静岡県 10,800t 6.70%
5位 長崎県 10,200t 6.30%

そして、栃木県には有名品種の「とちおとめ」や「スカイベリー」と言った代表品種。また、いちご狩りも盛んで「とちひめ」と言った果実のジューシーさを意識した限定品種等を育てています。

いちごの出荷、いちごを育てた観光産業といったもの、加工食品の販売含めて、非常に盛んな県なのです。

いちご日本一に対する思いは強く、日本にいちごが伝来し本格栽培が始まって半世紀収穫量を維持しています。加えて、2019年には「いちご王国・栃木検定」という検定もスタートされており、知識を含めたイベントにも力を入れています。

かつての二宮町が、ウォーターカーテン法の栽培を成功させて、そのことから一気に生産が広まり、他の都道府県でも生産が盛んな土地が多い県です。有名な生産地は、真岡市、鹿沼市、壬生町、小山市、栃木市(旧西方町、旧都賀町)、佐野市となっています。

栃木県で栽培されている代表的品種~とちおとめ~

栃木県のいちごの話になると外せないのが「とちおとめ」です。現在の日本の中で一番の生産量が多い品種となっているとちおとめを作り出したのは、栃木県農業試験場での品種改良によって生み出されました。

まずはとちおとめのおじいちゃんとおばあちゃんに当たるのが当時日本で多くの流通量を誇っていた栃木の有名品種「女峰」と「とよのか」これをかけ合わせて生まれた苗に、更に栃木県独自の品種の「栃の峰」の花粉を付けて生まれました。

いちごの品種で重要なのは、実の大きさ、形、色味、味、そして輸送でも壊れにくい品種を生み出すことです。全国のスーパーや加工のための輸送に耐えられること、それが品種改良において重要なことですが、とちおとめは大変優れた品種です。

実の形状は、大きすぎず中粒のものが多く、艶があることそして、糖度が9~10%あるだけではなく、酸味が少ないため、実際舌で感じる糖度はそれ以上とされています。果肉も程よい硬さであり、柔らかすぎないため輸送にも適しており、噛むことで出てくる果汁が更に美味しさを引き立たせるという品種です。

いちごの栽培面でも優れており、促成栽培と言ったハウスによる温度調整によって実をつける時期の調整ができる他、苗の休眠時期が浅いため、花をより多くつけさせる処理ができるため、実をより多く収穫できるという利点もあります。

収穫時期は12月から5月下旬までと長いのも大きな特徴です。

栃木県で栽培されている代表的品種~スカイベリー~

スカイベリーという品種は、栃木県のいちごの中でも大ぶりで食べごたえのある果実が特徴の品種です。比較的新しい品種にも関わらず、人気な秘密はその甘さと酸味のバランスが良い点です。実の形も綺麗で、大ぶりのいちごの品種の中でも艶も良いのも特徴となっています。

栃木県は、トップシェアを誇っていた女峰やとちおとめはありましたが、大ぶりのいちごのメイン品種が無かったため、生み出されたのがこのスカイベリーなのです。日本人は長年いちごに親しんできたこと、人々の味の好みで、より大きく綺麗な実でなおかつ形が美しいものを好むようになりました。

そのような傾向があるなかで、栃木県が唯一無かったものが、大ぶりの大型品種なのです。

栽培面でのメリットは、電気の照明を必要としないこと、加えていちごがかかりやすいとされている苗の病気に対する耐性もあるため、大型の品種にも関わらず育てやすいといった特徴があります。

栃木県で栽培されている代表的品種~とちひめ~

「とちひめ」は栃木県でいちご狩りをメインに栽培されている品種です。とちひめの大きな特徴は果肉の柔らかさとそのジューシーな果汁が多いことです。果肉も実を半分に切ると、内部まで赤く美しいのも人気の秘密になっています。

とちひめは、名前がとちおとめに似ていますが、それもそのはず、実は品種改良に使用された苗は同じ苗なんです。違うのは、先程紹介した栃の峰が受粉される側でお母さんであることです。同じ苗なのに、受粉のペアが同じでも、花粉を与える側と受粉される側が逆だと別品種になります。

とちひめは先祖の女峰が持つ甘さがや風味を持ちつつ、酸味が少ないため、より甘く感じるのが特徴です。

デリケートな実のため実が傷つきやすい点を、スーパーや店に出回る流通数が少ないこと、加えていちご狩り限定で食べることができるというプレミアがつくことで、人気の品種となっています。

苗を育てる面では、多く実がなりやすいのが特徴です。一つの苗に対して多くの女峰やとちおとめよりも多く収穫することができ促成栽培にも対応ができる品種です。

栃木県では、品種改良が盛んで、かつて日本の流通一位を誇った女峰や品種改良に使用された栃の峰、とちひとみといった品種も栽培されています。多くの種類のいちごを栽培し、加えて量も多いのも大きな特徴です。

まとめ

日本で最もいちごの収穫が多い栃木県、その収穫量は15%を誇ります。加えて、栃木県は半世紀以上トップシェアを誇っており、その理由は県開発の有名品種やいちご検定のような普及活動含めて盛んです。

スーパーで販売されているいちごのトップシェアの「とちおとめ」大ぶりで見た目も美しく食べごたえのある「スカイベリー」をメインに、実が柔らかく果汁が多い「とちひめ」といった独自品種を多く栽培しています。

また、女峰や栃の峰、とちひとみといった品種も栽培されており、多くの品種があることで、長い期間いろんな種類の大きさや味わいを楽しむことができるのです。

参考文献
http://kisetsumimiyori.com/ichigoranking/
http://www.pref.tochigi.lg.jp/g61/hinsyu/ikuseihinsyu2.html

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