老若男女問わず愛されているいちごは、その印象的な赤さも美味しさを倍増させる要因の一つです。一口かじるとジューシーな甘さが口いっぱいに広がりますが、皆さんもご存知のようにとっても繊細な果実としても知られているんです。
店頭で吟味して買ったはずなのに、家に帰って空けてみると痛みや傷があった・・なんて経験、一度や二度あるのでは?
今や、日本のいちごは海外でも大変高い人気を誇っています。国内はもちろんのこと、海外へ輸送する際にもいちごを痛ませないためにはどうしたらいいのか?このようなテーマに答えを出そうと日本の輸送技術は日々、進化し続けています。
今回は、その輸送技術のいくつかをご紹介したいと思います。
長距離輸送でも耐えられるいちごの包装容器
農研機構の九州沖縄農業研究センターは、コスト削減も兼ねて、いちごを船便で海外へ輸出するために長距離輸送に耐えられる包装容器の開発に携わってきました。
輸送段階でいちごに傷がつくと周りのいちごにも影響が出ますし、何よりも販売自体に暗い影を落としてしまいますが、伸縮性フィルムを使った容器ではイいちごをトレーごと包み込んでくれるので、いちごを安定した状態で運ぶことができます。フルテクターと呼ばれるこの伸縮性フィルム容器は、下記の会社から販売されています。
そして、柔らかいフィルムを使いながらいちごを宙吊り構造で包み込む「ゆりか〜ご」もいちごの輸送では重宝されています。
宇都宮大学が開発した全く新しい包装容器
同大学の農学部と工学部がともに協力して開発したのがフレシェル®という容器です。栃木県はいちごの産地として知られていますが、近年はスカイベリーという品種も人気が高まってきています。スカイベリーは他の品種と比べて粒が大きいことが特徴ですが、これを痛まないように輸送するために作られたのがフレシェル®です。
一粒ずつ入る形になっているのですが、驚くのはそれだけではありません。なんと、手作業ではなく、ロボットがいちごを収穫し、人の手には一度も触れずに容器へと収納されていくのです。
非常に面白い技術ですし、何と言っても容器に入っているいちごが宝石のようでプレゼントにはぴったりのものになっています。
いちごの品質保持に役立つ包装容器
そして、最後に紹介するのは、いちごの呼吸を抑えて鮮度を保つ包装容器です。いちごは収穫後も呼吸をしているおかげで劣化が進んでいってしまうのですが、このフィルムにはとても小さな穴が空いていて、呼吸自体を抑えることで品質を維持させるという特徴があります。
傷もそうですが、劣化も早いいちごにはまさに最適なフィルムとして重宝され、広く使われるようになっています。こちらはいちごだけではなく、他の農産物にも広く使われています。
日本のいちごを輸送する技術はとても高いものですが、これからの進歩も期待できそうですね。世界中のいろいろな場所で日本のいちごを味わってもらえる日がくると思うと楽しみです。
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