青森いちごスイーツ探訪(9)キーファルンバウム

いちごスイーツ学部

本場ヨーロッパの味を楽しめる本格コンディトライ(ケーキ店)

今回は、青森市波打に店舗を構える「キーファルンバウム」さんにお邪魔しました。

国道4号線近くの閑静な住宅街に、 ヨーロッパの町並みを彷彿とさせる建物が見えます。

茶色と緑のコントラストとてもおしゃれ。異国情緒あふれる造りに、期待が膨らみます。

お店の歴史とオープンされたきっかけを教えて下さい。

オーナーシェフの松島浩人さんにお話を伺いました。

松島シェフは、モンブラン東京・大阪都ホテル・ヒルトンホテルで修行した後、小学生の頃から夢に描いていたヨーロパ修行へ。

スイスでの修行を熱望していましたが、ビザが下りず、パリとドイツで修行の傍らバカンスの度にスイスへ行き、勉強に励んだ後、帰国。

1991年に青森に帰郷。

金木町にあるご実家の和菓子店で家業を手伝い、2004年、 本場ヨーロッパのお菓子をそのままお客様に楽しんで頂きたいという思いから 青森市に「キーファルンバウム」をオープンされました。

お店のこだわりや素材への思いを教えて下さい。

「ヨーロッパの本場の味をそのまま作りたい」というこだわりがあります。


日本の小麦は「もっちりふわふわ」な食感が多いですが、 小麦粉を数種類をブレンドして、歯切れの良いヨーロッパの食感を再現しています。

バターは発酵バターを使用することで、コクと風味を楽しんで頂けるように。

フルーツは、よりフレッシュな味を楽しんで頂けるように、ピューレやジュレをしのばせ風味を引き立てることもあります。

乳製品など、日本とヨーロッパでは消費量も品質も違います。

その中でも美味しいものをピックアップして、ブレンドし、本当に美味しいものをお届け出来るように工夫しています。

いちごへのこだわりはありますか?

イチゴを使ったケーキは、お客様からとても人気があります。

今では通年で手に入るので、どの時期にもイチゴを使ったケーキが店頭に並んでいます。

この時期は八戸産のとちおとめが多いですが、手に入る物をその都度使用しています。

特に夏場は青森県産のイチゴが手に入るので、よく使っています。

夏イチゴは酸味がありますが、クリームとの相性を考えて酸味があった方が美味しい場合もあります。酸味が強すぎる時は、マリネや加工もしながら使っています。

日本では、見た目が重視されるため難しいですが、ヨーロッパではあえてイチゴに傷をつけてケーキに入れたりします。

あえて傷をつけることで、ジュースが出てクリームににじみ、一体感が出て、より美味しくなります。

フレジエなどは、とても美味しくなりますよ。

イチゴと言えば、ドイツでは初夏に2~3週間だけ出回る美味しい「露地物イチゴ」があります。

このイチゴは、世界一美味しいと思いました。6月下旬から7月にかけてのとても短い時期ですが、南ドイツの日当たりの良い湖畔近くで栽培されるイチゴで、ドイツ全土に出回ります。

私は北ドイツで修行していましたが、スーパーやお菓子屋さんでも美味しいイチゴを手にすることが出来ました。

値段もとても安く、当時のレートで1パック150円ほどでした。

大きさはバラバラでゴツゴツしている物も多く、お菓子に使うのは大変ですが、味がとにかく美味しい。

これぞイチゴ!!という甘さと酸味のバランス。最高でした。

今後の展望を教えて下さい。

ヨーロッパの伝統をベースに、日本の素材を融合させたスイーツも作って行きたいと思っています。

素材へのこだわりが当店の魅力の一つですが、他店との違いであるとも思っています。

食材へのこだわりがあるお客様にも多くご来店頂いておりますので、これからも違いを感じて頂けるようなお菓子作りをして行きたいです。

いちごスイーツを試食させて頂きました!

・豆腐に恋したチーズケーキ

いちご好きにはたまらない、白と赤の組み合わせ。透明感のあるジュレが、とても美しい一品です。

イチゴがたっぷり入ったジュレ全体から、イチゴの甘酸っぱい香りが漂います。

中間のピューレがキュッと甘く、イチゴの酸味とジューシーさを引き立ててくれます。

下層は豆腐を使用したチーズケーキ。

上にたっぷりイチゴが乗っているので、しっかりしたチーズケーキを連想していましたが、空気を含んだような軽くて口溶けの良い、さっぱりとしたチーズクリームに驚きました。

口の中でとろけるチーズクリームと、甘酸っぱいイチゴのコラボレーションに恋してしまう美味しさでした。

・松島シェフに教えて頂きました。

イチゴのジュレには、少しだけお酒を使用して香り付けをしています。

1つのチーズケーキに、2粒以上のイチゴを使用しているので、たっぷりイチゴを楽しんで頂けます。

そして、真ん中のピューレがあることで、よりイチゴを引き立て、果実感を楽しめるように作っています。

チーズケーキ部分は、ギリギリのゼラチン量で固めているため、口の中でふわふわとろける食感に。

「箱入り娘」という美味しい豆腐を使用していますが、豆腐を入れることでカロリーと糖質を大幅にカット。

当店の人気商品です。

・ベリーベリータルトレット

たっぷり乗ったベリーを楽しめるタルトレット。

上部はフルーツとクリームのシンプルな組み合わせですが、ここにも松島シェフのこだわりが感じられます。

ブレンドされた生クリームは、ふわっと軽い食感で、フルーツとの相性が抜群。

クリームが酸味を程よく引き立ててくれます。

下層のタルトは、サクサクホロホロ。また、中に敷き込まれたアーモンドクリームの軽さに驚きました。

タルトの歯切れがとても良く、口の中でほどけて行くような感覚と、最後にコクのあるバターの香りとみずみずしいフルーツの酸味を楽しむことが出来ます。

人気ナンバーワンも納得の、美味しさでした。

・松島シェフに教えて頂きました。

下層のタルトには、フォンセ生地(練り込みパイ生地)を使用しています。

パイやタルト生地は湿気に弱く、食感を維持するのが難しいのですが、フォンセ生地にすることで、湿気にくく、さらにリッチ感も出ます。

アーモンドクリームには、サワークリームとカシスホールを入れて酸味とクリーミーさをプラス。

さらに、ホイップ製のある生クリームを使用することで、軽くてフルーツの美味しさを引き出す配合にしています。

どこから食べても美味しい。そんなタルトに仕上げました。

・キーファルンバウムの情報

店内には生ケーキ、焼き菓子の他、カフェスペースもあります。

ケーキと一緒に、美味しい紅茶やコーヒーを楽しむことも出来ますよ。

青森市へお越しの際は、ぜひお立ち寄り下さい。

コンディトライ カフェ

キーファルンバウム

〒030-0961

青森県青森市波打1-18-4

営業時間 9時~19時

定休日 毎週水曜日

https://www.kiefernbaum.jp/

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取材・記事制作:いちごライター@高坂智美

★プロフィール★

製菓衛生師・ハーブコーディネーター・オーガニックコンシェルジュ

大阪あべの辻製菓専門学校を卒業後、大阪・横浜でパティシエとして勤務。

現在は故郷青森で3児の母として子育てに奮闘中。

美味しい物が大好きな食いしん坊。特にスイーツとハード系パンが大好物。

趣味は手芸とグーグルマップ妄想旅行。

子どもたちが大きくなったら、一緒に食べ歩きの旅に出るのが夢。

自然がいっぱい、新鮮で美味しい物に囲まれた青森をこよなく愛しています。

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