埼玉県久喜市で“やよいひめ”に愛情を注いでいる小林いちご園の今井さんにお話を伺いました!

今回は、埼玉県久喜市にある小林いちご園の後継者、今井恵子さんにインタビューをさせていただきました。

ご両親が経営されるいちご農園に昨年から携わられている今井さんは、先日行われた第4回イチゴスイーツ研究会における食べ比べ選手権で、ダントツの1位に輝いており、素晴らしい味覚の持ち主でもあります。

今井さんがいちご農園を継ごうと思ったきっかけや今後のビジョンなど、興味深いお話ばかりのインタビューを是非、ご覧ください。

今井さんがいちご作りを始められたのは、いつ頃でしょうか。

ちょうど1年ほど前でしょうか。

現在も両親がいちご農園をしているのですが、昨年から週末に訪れるなどして一連の農作業に携わるようになりました。

今の時点では、JAに加盟していることもあって表立って活動できない部分があり、FBページも今年になってから開設しています。
いちご狩りもこれまで行っていなかったのですが、去年からお友達限定で、お試しとして実施するようになりました。それほど大きな農園ではないので、ゆっくり過ごしていただきたいという気持ちが強く、予約していただいて1日に何組か来ていただくという形をとっています。

基本的には、農協にいちごを提供している他、口コミで買いにこられるお客様にご購入いただいています。

なぜ、いちご農園を継ごうと思われたのでしょうか?

いちご農園を継ごうと思ったきっかけは、1年ほど前に両親が「もうそろそろ、年齢的なこともあって、いちご農園をやめようかと思っている」と話していたからです。

その時にようやく、もったいないなと思い始めました。
いつも新鮮な野菜やいちごが当たり前に食べられる環境がありがたく感じました。
また子供が自由に走り回れる環境を孫の代まで残して行きたいと思い始めたのもきっかけですね。

現在、都内に住んでいるのですが、夫もサポートしてくれているので、子供が大きくなった際には埼玉へ移り住んで、いちご農園に従事しようと考えています。

いちご農園を継ぐことを決意された時、ご両親は喜ばれましたか?

喜んでいるとは思うのですが、今はまだ「継ぐことをやめておいたほうがいいのではないか」と話しています。
おそらく、いろいろな苦労を知っているからではないでしょうか。

私が引き継いだ後は、観光農園や直売所、そしていちご狩りなどこれまで着手してなかったことも取り入れてみようと思っています。

現在、小林いちご園では“やよいひめ”を作っていらっしゃいますが、ほかのいちごも手がけているのでしょうか。

現在は農協に所属していることもあり、地域ごとに栽培するものが決まっているので“やよいひめ”だけですね。
過去には、女峰、とちおとめ、珍しいものではダナーという品種を栽培していた事もありました。

一般の方からみた、いちご農家の不条理なところはありますか?

多くの農家も同じだと思いますが、お休みがない事でしょうか。
いちごの栽培は冬だけのものと捉えられがちですが、実は、一年中いちご作りに携わっています。夏になれば苗づくりを始めますし、その後にようやくハウスに植えていちごを育てるということになりますので、長く休むことができないというのはありますね。

さらに、いちごの栽培はすごく手間がかかります。
病気になりやすいですし、1個の株がウイルスにかかってしまうと、全部ダメになってしまうこともありますので、そういった意味では神経を使う作物ではありますね。

他の農家さんから見ると、「いちごは単価が高くていいよね」という風に言われることもあるのですが、施設園芸なので最初に多くの投資が必要ですし、ハウスを建てて暖房を入れるなど様々なところにお金がかかるのが大変なところではありますね。

ただ、改善できる事はたくさんありそうなので、楽しく新しい農業の働き方を探していきたいと思います。

いちご農家のメリットについて教えてください。

いちごを嫌いな方はあまりいないですよね。みなさん、いちごを見ると嬉しそうに、「甘~い、幸せ~」とおっしゃいます。 小さなお子さんからお年寄りまで、みんなに幸せをお届けできる事、喜んでもらえる事が嬉しいですね。

お孫さんに喜んでもらって足繁く買いに来られるおばあちゃまや、
贈答先に喜ばれた事で、「株が上がったわ。」とおっしゃるお客様との会話もいちご農家をやっていて良かったと思う所です。

それから、いちごを摘んで1秒もたたず口の中に入れられること。
いちごジャムを食べ放題できる事。

両親には、この作物を選んでくれて感謝です。

今年の出来はいかがでしたか?

例年並みだったと思います。
大きく病気にかかることなく収穫することができました。
病気、土、温度、湿度、ミツバチ等の管理を怠らなければ、例年並みに収穫することができるようになりますね。

いちごを育てるにあたり、気をつけられていることがあれば教えてください

まずは、ハウス内の環境管理、土、温度、湿度、ミツバチの様子は毎日確認します。
そして、美味しい果実になるよう必要に応じて液肥を与える事、農薬使用を減らして益虫を入れるなどの生物農薬を使用するなど心がけています。

何よりも、毎日の株の観察と試食が欠かせません。

昨年、FARM CANNINGスクールの3期生として活動されていたそうですが、スクールではどのようなことが学べるのですか?

ここで学んだことを、いちご農園に反映できないかなと思い、入学することにしました。ちょうど一年間所属していましたね。

スクールではいちご栽培というよりも、メンバーと午前中に畑のお世話や季節のお野菜収穫し、午後にはそのお野菜を加工して瓶詰めにするという作業を行っていました。
農業を体験してもらう事や、加工の仕方などが学べるので、観光農園を始めた時にどのような方法が適しているのか模索することができました。

実際に製品化しているものはありますか?

FARM CANNINGでは、流通の規格から外れてしまっているような“もったいない野菜”を仕入れて、おかずになるような瓶詰めを作って販売しています。私も参加した際に、いちご農家だということを話したところ、もったいないちごを使って何か作ろうという話になりました。

現在では“イチゴのドレッシング”を作って販売していますし、以前は、キャロブといって豆のペーストをチョコレート状にしたものの上に、いちごとワインを煮詰めたジャムを乗せた商品をバレンタインの時期に販売していたこともあります。

商品になった背景や、生産者の声、フードロスの取り組み。
瓶の形やラベル、写真といった、商品の見せ方も上手で勉強になります。

FARM CANNINGでは、もったいない野菜を使用しています。そのため収穫量にばらつきがあることも理解しているので、その時にできる量を作り、オンラインショップや各種イベントで販売しています。なので、いつでも季節限定の数量限定です。
こういった取り組みを、埼玉のいちご農園でも活用できたらいいなと思っています。

イチゴスイーツ研究会の食べ比べ選手権ではダントツの1位でしたが、いちご農家で育ったということもあり、いちごに関する味覚は磨かれているのでしょうか?

やよいひめだけは、実家で育てていることもあって、すぐにわかります。香りが良く、少し肉質がしっかりしているのが特徴ですね。
私自身が一番美味しいと感じるいちごも、やよいひめかもしれません。

1位を頂きましたが、小さな頃から新鮮なものをたくさん食べて来たお陰だと思います。感謝です。

実は、農家あるあるで、私はそれほどいちごが好きというわけではありませんでした。
でもこのイベントで、心からいちごを愛する方、いちごを熱く語る方、いちごを楽しんでるたくさん方々に出会い、改めて苺の潜在能力の高さを知った所です。
近すぎると見えないものですね、参加された皆さんのおかげで、いちごって楽しそう!!と思えるようになりました。

最後に、いちご好きに伝えたいことがあればお願いします

いちごは常温で食べるのが一番美味しい食べ方です。なので、ぜひハウスに来られて、食べる機会を作っていただけたら嬉しいですね。
輸送の段階で香りが飛んでしまうのがとても残念なのです。

ハウスの中や畑の中で、見て楽しみ、香りで楽しみ、食べて楽しみ、五感をフル稼働して食べて頂きたいと思います。きっと、心も身体も心地良さを感じてもらえると思います。
そんな風に一緒にいちごを楽しんでもらえたら嬉しいです。

<まとめ>
いちごを育てることの難しさや、これからのビジョンなど幅広いお話を伺いことができました。
正式にいちご農園を継がれるのはもう少し後になるとのことですが、いちご作りのみならず、スクールに通って加工品について学ばれるなど日々、努力されていらっしゃるので、これからがとても楽しみです。

<参考サイト>
小林いちご園(BASE SHOP)
https://ichigoen.base.shop

小林いちご園Facebookページ
https://www.facebook.com/小林いちご園-2006610659626527/

FARM CANNING(オンラインショップ)
https://shop.farmcanning.com/ja

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