【夏の北海道】北海道限定栽培いちごを食べに行こう!いちご大学アカデミア1期生・視察研修 北海道千歳市「小川農場」に行ってきました!

いちご大学アカデミア

夏の北海道旅行に最適!北海道のいちごシーズンは6月・9月・10月が本番です。6月上旬、いちご大学アカデミアの1期生有志で、北海道の農場経営やいちご栽培を勉強するため、北海道千歳市にある小川農場に伺いました。
いちご大学アカデミアの講師で、小川農場の経営とメニュー開発や営業を担う小川聖子さんにお話を伺いました。

北海道千歳市「小川農場」

新千歳空港から車で約10分、他府県からの観光にも札幌市内からも比較的行きやすい場所に位置する小川農場は、環境保全型農業を実践し、いちごやブロッコリー、かぼちゃなどの野菜類を中心に生産しています。

小川農場の歴史は約100年、小川さんの祖父(初代)と祖母が千歳の地を開墾し、父(2代目)が昭和55年に有限会社小川農場として農業法人を設立。2代目のときに経営面積が55ha超の大規模農場となりました。現在は3代目、小川家の兄が社長を務め、家族4人+数名のパートさんで運営しています。

このような広大な面積で食糧の大量生産を行う場合、農薬や化学肥料を用いながらできる限り効率よく栽培するのが農業経営のセオリーと言えます。しかし、先代は、初孫が生まれたのをきっかけに方向転換を決断します。当時の効率重視の農業スタイルを見直し、安全性の高い農産物生産に移行していきます。この想いは子供たちに受け継がれ、現在も堆肥や有機物を用いた、土づくり中心で、化学農薬や化学肥料を慣行の半分以下の使用基準に抑えた生産管理を行ないながら、この広大な耕地面積を維持管理しています。

「孫に食べさせたい野菜づくりを、これからもずっと。」
先代から今も、小川農場が大切にしている企業理念です。

いちごの栽培方法は、路地栽培が100aとハウス内での土耕栽培が15aほどあります。とくに、本州ではほとんど見かけることのない路地栽培での200m以上続くいちご畑は、圧巻の光景です。

向こうが見えないほど続く路地栽培のいちごの畝

栽培品種とその魅力

小川農場では、6月は北海道限定栽培品種の「けんたろう」「ゆきララ」を生産しており、6月中旬になるといちご狩りも始まります。
どちらも果皮がやわらかく、輸送が困難な品種であるため、なかなか他府県に出回らない希少ないちごです。
とくに、近年開発された「ゆきララ」は、「けんたろう」×「あまおう」の交配によって生まれた新しい品種で、大粒でジューシー、まるっこい形がキュートで、甘くて美味しい品種です。

9月〜10月は「アルビオン」「すずあかね」といった四季なりいちごを栽培しており、これもなかなか他府県ではお目にかかれない品種です。

直売所に並ぶいちごは、非破壊糖度計を用いて計測し、毎日の糖度を表示しています。小川農場の特に素晴らしいところは、高糖度のいちごをつくる栽培技術を持っていることです。この日は、直売所には「けんたろう」「ゆきララ」が陳列され、糖度は16〜23度と表示がありました。食べてみると、あまくて、ジューシー!
「けんたろう」「ゆきララ」の平均糖度は10〜13度と言われているそうなので、驚きの糖度です。

路地もハウスも、土耕栽培という昔ながらの畝を立てて栽培するスタイルで、先代から続く土づくりをベースにした確かな栽培技術によって、高糖度のいちご作りを実現させています。
特に、栽培責任者の社長は、堆肥の利用や微生物の力を借りた土づくりの研究に熱心で、そうした日々の試行錯誤がこの美味しさを作っているのですね。

ハウス栽培の「ゆきララ」

できるだけ農薬や除草剤を使用しなくて良いように、防草シートを利用したり、手でひたすら草抜きを行ったりすることで対応をしています。

ともちゃん&うめちゃん80代コンビが現役!?

小川農場では、小川さんの母(ともこさん)と、そのお友達のうめちゃんがテキパキと農作業をされていました。管理作業や手除草には本当に手間がかかるのですが、ともちゃん&うめちゃんのおかげもあり、これだけの広大な面積がきれいに管理されていました。

小川家では、兄・姉・小川さんの3兄弟で時間の限り栽培管理を行いながら、直売所の運営や青果の営業販売、商品開発などを行っており、多忙を極めます。

「手がまわっていなくて、お見せするのが恥ずかしいところもあるのだけれど。」とおっしゃる小川さん。雑草を防ぐためのシートも、風の吹き抜ける広大な土地では、飛ばされるたびに直す必要があり、気温の上昇とともにどんどん生い茂る雑草との戦いが続きます。実際には、通路はモアーで綺麗に刈りそろえられ、株元の雑草や作物自体の管理作業も、面積に対する人数がかなり少ないながら、とてもきれいに管理されていました。

並んで作業中のともちゃん&うめちゃん

パフェメニューのこだわり

1990年にスタートした直売所は、北海道らしいカントリーでノスタルジックな雰囲気が漂うピンク色の建物です。

取材時は、平日にもかかわらず地元のお客様が入れ代わり立ち代わり、パック入りのいちごを買いに来られて、合わせてパフェメニューも堪能して帰っていきます。

可愛らしいピンクの直売所、右手の黄色い屋根はパフェメニューの受け渡し場所

直売所の朝摘みいちご

パフェメニューは、「いちごの美味しさ」が伝わるようにと試作を重ね、高糖度いちごそのものを楽しむためのスイーツになるよう設計されています。スムージーは、美しいピンク色にするために、発色の良い品種を混ぜるといった工夫がされているそうです。
小川農場の直売所では、その美味しさと”映える”パフェメニューを求めて、繁忙期には行列を作ります。

人気No,3「つみたていちごのスムージー」

【期間限定】人気No,2「つみたていちごパフェ」

【期間限定】人気No,1「まるごといちごソフトクリーム」

【期間限定】New!!「つみたていちごのスペシャルパフェ」

晴れの日は、直売所横に設置されたパーゴラ(屋根付きベンチ)で食べれば、ロケーションも最高です。今回紹介したスイーツの他にも、様々なパフェメニューが楽しめます!ちなみに、新登場の【期間限定】「つみたていちごのスペシャルパフェ」は、「パフェは飲み物です」と言いたくなるくらい一気にかきこみたくなる美味しさです。

夏の北海道旅行の際には、小川農場に立ち寄って美味しいパフェメニューを楽しんでみてはいかがでしょうか。

<農場見学のアドバイス>
美味しい農産物を作り続けてもらいたいから、筆者からのお願いです。
小川農場だけでなく、全国の農場に訪れる際には、スニーカーなど畑に優しい靴でお出かけしましょう。特にヒールの高いお履物で、防草シートやビニールマルチに穴を開けたりしないよう、マナーを守って農場見学を楽しんで頂ければ嬉しいです。

●小川農場
場所 北海道千歳市根志越296-1
営業時間 6・7・8月9:00~17:00、9・10・11月10:00~16:00
定休日   6・7・8月:無休、9・10月:火曜、11月:火・水・木曜 ※冬期は休業
予約                  不可
駐車場   約50台
お問合せ            0123-26-4874
SNS                   https://www.facebook.com/ogawafarm/

<ライタープロフィール>

RENA 青森県出身。農学系大学を卒業後、種苗会社、農業ベンチャーを経て現在はフリーとして農業や食に関わる企画や運営、各種サポートを中心に活動中。いちご大学アカデミアではモデレーターを務める。好きないちごはやよいひめ。

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