<もくじ>
- いちごの定植時期
- いちご苗の選び方
- 初心者向きの品種
- オーガニックの土づくり
- 定植作業
- 管理作業
- 受粉のコツ
- 天敵
- 収穫後
1.いちご定植の時期
お庭や市民農園でいちご栽培を楽しむなら、10月頃定植がおすすめです。10月頃になると、ホームセンター各店で様々な品種のいちご苗が販売されています。
畑で作るときには、いちごの通常の生育サイクルに合わせて、一季成り品種を選んだほうが作りやすいです。
2.いちご苗の選び方
・病気や虫がないか
いちごは長い葉柄の先に3枚の葉がついていますが、この3枚が同じ大きさで広がっているかを確認します。1枚だけ萎縮している場合は、病気の可能性もあるので避けましょう。
・苗ががっしりしているか
ひょろひょろと伸びた苗は徒長して弱っているので避けましょう。
苗を選ぶときには、がっしりして元気そうなもの、病虫害のない健康な苗を選ぶことが大切です。
3.初心者向きの品種
とちおとめ、女峰、とよのか、宝交早生、さちのか など
昔から栽培されてきた品種は家庭菜園でも作りやすいのでおすすめです。
4.オーガニックの土づくり
定植の1ヶ月前に畑の準備をします。堆肥や元肥を混ぜておきます。
・牛糞堆肥(1㎡あたり1kg程度)
・かき殻石灰(1㎡あたり100g程度)
・油粕(1㎡あたり100g程度)
よく混ぜ込み、ならしておいておきます。
5.定植作業
1ヶ月前に土づくりをしたところで畝を立てます。
畝幅は120cm、株間は30cm、1条植えにしましょう。
新芽が出るところで「クラウン」と呼ばれる部分を土に埋めてしまわないように注意します。
6.管理作業
寒くなってきたら、株元に敷き藁をして保温をします。いちごは、比較的寒さに強い植物ですが、凍ると枯死してしまうので、氷点下5度を下回らないように気をつけます。あまりに冷え込むときは、不織布などで保温します。
3月頃、いちごの休眠がゆっくりあけてくると、いちごがどんどん成長していきます。この頃になったら、黒マルチや敷き藁で畝を覆い、泥はねや乾燥を防ぎます。
葉の数が増えてきたら、下葉を少し整理して風通しをよくしてあげます。ランナーも出てくるので、根本から取ります。
7.受粉のコツ
いちごは他家受粉といって、ミツバチなどの訪花昆虫が異なる株の花粉がめしべにつくことによって受粉します。家庭菜園では、農家さんのように受粉用の蜂を準備することは難しいですよね。とはいえ、綿棒などでの受粉作業は手間がかかります。
そんなときにおすすめなのが、「ボリジ」を一緒に植えること。ボリジは養蜂植物として、蜜を集めるためにミツバチが集まりやすいので、コンパニオンプランツとして脇に植えておくと受粉率がアップします。
定植のタイミングでボリジも植えて、寒さから守ってあげましょう。
8.天敵
家庭菜園での3大天敵は以下です。
・鳥
てぐすを張って対処します。
・ナメクジ
キラキラと光るような跡があれば、ナメクジがいます。容器にビールを入れておく、土のまわりに椿油粕やコーヒー粕をまくなどします。
・ねずみ
いちごの種をかじられていたらネズミの可能性が高いです。粘着シートなどで対応します。
そのほか、ハダニやアブラムシなどの害虫やうどんこ病などの病気にも注意が必要です。家庭菜園では、面積が小さい分、害虫は手で捕まえて捕殺することで対応が可能です。枯死するほどの大量発生でなければ、捕殺しながら様子をみておけば大丈夫でしょう。
9.収穫後
ひととおり収穫を終えたら、ぜひ苗取りに挑戦してみてください。栽培期間中は摘んでしまっていたランナーを残して、子株を作ることができます。
家庭菜園なら、オーガニックで栽培できるだけでなく、いちごの花やどんなふうに果実がつくのかも観察しながら栽培が楽しめます。お庭や畑がある方は、ぜひ挑戦してみてくださいね!
<いちご大学公認ライタープロフィール>
RENA
青森県出身。農学系大学を卒業後、種苗会社、農業ベンチャーを経て現在はフリーとして農業や食に関わる企画や運営、各種サポートを中心に活動中。いちご大学アカデミアではモデレーターを務める。好きないちごはやよいひめ。
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