このたびはいちご大学アカデミア生で福井県南越前町にて新規に体験型農園「FRUITFUL GARDEN ひのの実」を設立された川﨑武彦氏にインタビューをさせて頂きました。
農園のことやいちご大学アカデミアのことについても語って頂きました。
ぜひ、ご覧ください!
なぜ、この農園を作ろうと思ったのですか。
祖父の代から農業関連の仕事をしていた関係もあり、小さい頃から農業に関する手伝いをしていました。大学でも農業を学んでいました。
就職は、福井県の職員として農業行政や農業普及指導員、園芸研究センターで研究員という立場で仕事をしてきましたし、途中、2年ほど青年海外協力隊でマダガスカルへ行き、野菜の栽培とマーケティング関係に携わってきたので、自分の中では農業が一つのキーポイントになっていました。
県の職員や青年海外協力隊として、地域のために色々とやってきましたが、地元を農業で盛り上げたいという気持ちがありました。そして、タイミングよく地元の役場職員の方とお話しする中で、新しくできた道の駅 南えちぜん山海里は人が集まる場所であること、そこを農業で支援できないかと考えた結果、人が集まるものといえばいちごかなと思い、いちご農園を開園することにしました。
観光農園として、12月から6月上旬まではいちご、その後は他の方と一緒に6月から8月までブルーベリー、8月から10月まではぶどうも栽培し、なるべく周年で新鮮なものを提供できる場所となっています。
農園では、いちご狩りはできますか。
体験型農園とうたっていて、いちごを自分でイチゴを摘むことができる他、摘んできてもらったいちごを使って自分でクレープを作ることもできます。あんこと大福の生地を用意しているので、苺大福も作れますね。ブルーベリーも摘み取りしてスイーツ作りができるなど、体験をメインにしています。
どのくらいの人数を受け入れることができますか。
始まったばかりでわからないところもあるのですが、先週の日曜日には、1日に100人程度受け入れています。1時間あたり30人程は可能だと思います。
当農園は、いちごの食べ放題ではなく、15個ほど入るカップに摘んでもらって、それを併設のカフェでスイーツ作りなどを通して食べてもらっています。そのため、1箇所に人が集まることは少ないですね。
どのような品種のいちごが揃っていますか。
現在、11品種あります。一番多いのが紅ほっぺです。その他、かおり野、恋みのり、ほしうらら、スターナイト、おいCベリー、もういっこなどもあります。
福井県の気候は、いちごを育てるのに適していますか。
冬は日照時間が非常に少なく、1,2月は収穫量が少ないですね。それほど向いている地域ではないかと思います。ただ、LEDのライトをつけているので、日照時間はそれでカバーしています。
いちごの美味しいピークは今から3月くらいまで、そして、量に関しては3月の春分の日を過ぎてからしっかりと収穫できるようになります。
いちご以外のアピールポイントはありますか。
隣接している道の駅には、子供の遊び場所もありますし、地元の農産物や北陸の産品も揃っています。魚に関しては、へしこなどの加工品やシーズンになるとカニ丼も楽しめるなど、地域全体で遊べることが一番大きいかなと思っています。
いちご農園をオープンして、反応はいかがですか。
地元のメディアや新聞記事にも出させてもらいました。テレビやラジオにも出演したので、気にかけてくれる人が多いですね。「1月中は予約でいっぱいでしょ」と言われるのですが、みなさん遠慮がちなのか意外と空いています。まだまだPR不足かもしれませんね。
収穫したいちごは、道の駅でも売っていますか。
そうですね。他のいちごと並べると艶や香りが違うので、置いた瞬間に買っていただけます。やはり、地元のものは人気が高く、売れ行きが良いですね。
今回の開園にあたって、いちご大学アカデミアでの学びは役立ちましたか。
本当に入ってよかったと思います。私は栽培に関してはある程度、実践こそありませんが知識はありました。ただ、管理や販売、価格などに関しては、大学の皆さんとリアルに話ができたことは大きいですね。
こちらでは、加工場とキッチンカーを用意して六次産業化に取り組んでいますが、スイーツ作りの基本や栄養のことも話ができるとお客さんも真剣に聞いてくれますし、そういう意味では多岐にわたって学べたのは良かったです。
将来のビジョンをお聞かせください。
いちごの時期は限られているので、それ以外の収入確保という意味では、加工品やキッチンカーが大事かなと思っています。けずりいちごやいちごサンドなどは集客も期待できますし、やはり、地元の人に来てもらいたいと思うので、夏の販売も増やしていきたいですね。
キッチンカーで来て欲しいという要望はたくさんあるのですが、今は地元に限定しており、なるべく地元で活動したいと思っています。
最後にメッセージをお願いします。
最初、いちご大学がどんなところかわからなかったので、入りにくかったのですが、入ってみると皆さん、いちごに関して情熱を持っていらっしゃいます。講師の話も非常にわかりやすく、年間スケジュールを立てて順番よく説明していただいているので、非常に勉強になります。
色々な農家の方、それ以外の方ともにも繋がることができました。ネットワークは北海道から福岡までと幅広く、各地のいちごの産地の状況が聞けるのは研究員としても面白いですかったですね。全国各地域のつながりができたことも大きいかなと思っています。
まとめ
いちご大学アカデミアに入学された時に観光農園設立を考えており、それで入学しましたとお話をされていましたが、このように有言実行で形にされたことは本当にすごいことだなと思っております。
新年に地震があり、北陸も少しネガティブな感じになりましたが、また近いうちにいちご大学アカデミアメンバーと共に訪問したいし、実際に色々と味わってみたいと思います。
●関連リンク
体験型農園「FRUITFUL GARDEN ひのの実」
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