植物性堆肥が美味しさの秘密、極上あまおうのいちご狩り!福岡県八女市「ひらい観光農園」で楽しむ人気のあまおう!目指すはテーマパーク型農園!

いちご雑学

福岡県といえば、あまおうの産地として有名です。八女市は、いちごはもちろん、お茶の生産などでも有名な地域です。今回は、いちごとフルーツトマトの収穫体験ができる「ひらい観光農園」の平井一之介さんにお話を伺いました。

福岡県八女市「ひらい観光農園」

ひらい観光農園は、八女市で代々農家を生業としてきました。先代は電照キクやトマト栽培をしていましたが、2014年、一之介さんの代から観光農園の取り組みをスタートしました。

収穫体験としては、当時まだ近隣になかった、いちご+フルーツトマトの「ミックス狩り」というスタイルを開始。代々継承してきた栽培技術とIT技術を駆使して、美味しい農産物を収穫体験という形で提供しています。

目指すは「テーマパーク型観光農園」とおっしゃる通り、年間通して様々な収穫体験が可能です。

<収穫体験の例>
12月〜5月上旬   いちご狩り
1月下旬〜2月     スナップエンドウ
2月〜5月           フルーツトマト 、ミックス狩り(いちご+フルーツトマト)
8月〜10月         ぶどう狩り、シャインマスカット狩り
10月                   さつまいも掘り

その年によって、時期や品目は異なる場合がありますが、季節ごとにいろいろな収穫体験が楽しめます。

ひらい観光農園マップ

土づくりに半世紀!独自の栽培方法と極上のあまおう

ひらい観光農園のあまおうは「極上」と言われるほど糖度が高い特徴があります。一般的にあまおうの糖度は8〜10度、果実のサイズによってもばらつきが出ると言われています。ところが、ひらい観光農園では16〜18度を目指していて、昨シーズン(2022年)のある日の計測値では23度を記録したこともありました。

ひらい観光農園では、高設栽培と土耕栽培を併用しています。あまおうでは、土耕栽培でつくるものが特に糖度が高く「極上」とされています。

この極上あまおうには、なかなか真似することのできない土づくりが関係しています。

一之介さんの父にあたる先代は、土づくりをとても大切にしており、薬品による土壌消毒は行わず、植物性の堆肥のみを用いて、植物が健全に育つ環境づくりをしています。土の環境は、腸内フローラに例えられることがありますが、土中に棲む微生物が相互に関係し合い、よいバランスが保たれることで土の中の環境も良くなります。反対に、作物にとってよい働きをしてくれる微生物が減少し、悪さをする微生物が増えてしまうと、土の中の環境が悪くなり、作物は健康に育つことができなくなります。

一之介さんの父は、体系的な栽培方法を行っていた頃に、キクやトマトに生理障害が発生していたことがきっかけで、いろいろと調べるうちに土づくりの重要性に気がつきました。それ以降、半世紀以上に渡り、作物を健康に育てるための土づくりを研究してきたそうです。改良を重ねることで、まさに理想的な環境づくりを実現させ、その技術は次の代へと引き継がれていきます。

あまおうの苗を定植する土耕栽培のハウスでは、植物性の材料のみを使用して2年間熟成させた自家製堆肥と、魚由来のアミノ酸系肥料、牡蠣殻や卵の殻から作られるミネラルのみで栽培していきます。
先代の弛まぬ努力と、土づくり技術を引き継ぐことで、極上あまおうが作られているのですね。

ひらい観光農園の完熟極上あまおう
いちごの定植作業の様子

テーマパークのように楽しく体験を

ひらい観光農園では、普通はいちご屋さんがやらないことでも、お客様に喜んでいただけそうなものをコンテンツとして提供するように心がけています。

たとえば、コロナ禍で観光農園に来てくれる方が激減してしまったときには「ジャム作り体験キット」を作り、農園の美味しいいちごを遠隔でも楽しんでもらえる取り組みを開始。その時用意したセット数が完売するほどの人気だったそうです。
その後、リモートでも、もっと楽しめることはないかということで、ジャム作り体験と一緒に楽しめる食育絵本の制作も行っています。

農園でのいちご狩りやミックス狩りで、お子様が多い時には、音声付きの紙芝居上映を行い、農園内でのお願いごとをお伝えするほか、トマト嫌いの子でもトマトをたべてみたくなるような仕掛けがされています。

他にも、農園で実施するフォトコンテストやいちご狩りパスポートというスタンプラリー企画、品種当てを楽しむ利きいちごなど、楽しいコンテンツがたくさんあります。

このような楽しい体験を求めて、北九州市などの少し離れた都市部からのお客様が多く、土日には多くの家族連れやカップルなどで賑わいます。

ひらい観光農園のいちご狩りでは、福岡県限定栽培のあまおうのほか、かおり野、 紅ほっぺ、星の煌めき、スターナイト、ベリーポップ、東京お日様ベリー、とちおとめ、とのよか、さがほのかといったたくさんの品種があり、近年開発された新しい品種で美味しいものも含まれます。
お客様の感想を聞きながら、栽培品種を毎年入れ替えています。

ふるさと納税や直販もされていますが、やはり現地で完熟を食べるのが一番美味しいので、ぜひ、テーマパーク型農園「ひらい観光農園」へお出かけくださいね。

ひらい観光農園
場所                          福岡県八女市吉田向井手54
営業時間                      9:30~17:00
定休日                不定休
予約                            予約制
駐車場                約60台
お問合せ                    080-4279-7716(平日 10:00~14:00)
農園ホームページ https://hirai-tourist-farm.com/index.html
SNS                           Facebook https://www.facebook.com/hirainouen/
                                   Instagram https://www.instagram.com/hirai.k/
                                   Twitter https://twitter.com/otp_htf

<ライタープロフィール>

RENA 青森県出身。農学系大学を卒業後、種苗会社、農業ベンチャーを経て現在はフリーとして農業や食に関わる企画や運営、各種サポートを中心に活動中。いちご大学アカデミアではモデレーターを務める。好きないちごはやよいひめ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました