「カフェ&スイーツ雪ノ下銀座店」(以降「雪ノ下」)の限定メニュー「苺氷(いちごごおり)」を頂こうと意気揚々と家を出てきたものの、初夏にしては肌寒い日を取材日に選んでしまった筆者。夏でもホットコーヒーを注文するほど寒がりの私は、上着にストールをぐるぐる巻きにして、万全の恰好で「雪ノ下」を訪れました。
お店はビルの三階。よっこらしょと階段を上り始めると、上の方から温かいパンケーキの香りがふんわり漂ってきます。三階につくと、店内はまるで南国のような暖かさ。それもそのはず、カウンター越しにはちょうどふっくらとしたパンケーキが何枚も焼きあがるところでした。6席のカウンターと9席のテラス席、合計15席の店内は、カフェというよりオシャレなバーのよう。
その日私が入店したのは平日の正午。平日にも関わらず、来店者は後を絶たず、店内は常時満席状態。カウンター席には、読書したりスマホを眺めたりしながら、思い思いにパンケーキを待つおひとり様の女性客の姿が。中には韓国人らしき観光客の姿もあり、店長さんが英語でフレンドリーに対応する場面も。
銀座に突如現れたリゾートのような空間。外の肌寒さもすっかり忘れた私は、ストールをはずし、思わず「パンケーキ下さい」と予定外の注文までしてしまいました。
安全で良質な食材へのこだわり
オシャレな店内、気さくな店員さん、まるで南国にいるかのようなゆったりした空気。ゆるりとした雰囲気の「雪ノ下」ですが、扱っている食材の事となると真剣モードに。仕入れには相当こだわっています。
店内に大きく貼られているメニューには、パンケーキの素材となる卵やフルーツについての説明がびっしり。すべての素材について、品種や産地だけでなく、生産者を限定し直接取引を行っているのです。安全で良質な食材を少しでも安く提供したいという想いから、このような取り組みをスタートしたのだとか。
「雪ノ下」の経営スタイルはフランチャイズ形式です。オーナーの近藤正文さんは、大阪店を創業した後、「雪ノ下」の美味しさをより多くの人たちに味わってほしいという想いでフランチャイズ化をスタート。現在関西と関東エリアに計6か所の「雪ノ下」店舗があります。
通常のフランチャイズ店は、レシピや使用する食材、サービスのマニュアルなどが事細かに決められている事が多く、特に同じ味を出すために食材は可能な限り本社(工場)で加工された状態で店舗に届きます。
一方、「雪ノ下」では本社から提供される加工品類は一切無し。フルーツや卵などの食材は、各店がそれぞれ生産者から直接仕入れているのだそう。メニューも手作りできるものばかりなので、大掛かりな設備も不要。
やる気と美味しさを求める探求心があれば、小さなスペースでも誰でも開業できるスタイルをとっているのです。
イチゴへのこだわり
イチゴは、「さちのか」を生産する佐賀の梶山農園、「紅ほっぺ」を生産する静岡伊豆の国市の岩城農園の二つの農園と提携しています。数あるいちご農家の中からこれらの農園を選んだ理由は、その栽培方法と環境が決め手だったのだとか。
「雪ノ下」オーナーの近藤さんが絶対に譲れない条件は、以下の6点だそうです。
- 水耕栽培ではなく、土耕栽培をしている。
- 土壌が柔らかく水質が良いところ。
- 蜂によって自然の受粉をしているところ。
- 気候は暑すぎず、収穫時間を深夜から朝方に設定しているところ。
- 味は甘みと酸味が強い、しっかりした実が固いもので、サイズが2L以上。
- 梱包を一粒ずつ分けること。
全て食材の安全性を一番に考えた結果の条件。安心できるものを提供したいという想いがひしひしと伝わってきます。
自家製苺コンフィチュール
そんなこだわりのイチゴを使用したメニューを二種類試食させていただきました。まずはふわふわのパンケーキに自家製の苺コンフィチュールが乗った「自家製苺コンフィチュール」。パンケーキはプレーン、練乳ミルクの白、ココアチョコの黒の三種類から選ぶことができます。
私は素材の味をじっくり堪能したかったので、迷わずプレーンに。
注文してから20分かけて焼きあげる、店内一番人気メニューのパンケーキは、見事にふわふわ。厚さ4㎝以上はあるどっしりとした見た目からは想像がつかない程柔らかで、まるでスポンジケーキのようなパンケーキです。
生地には粉と同量の卵が使用されているのですが、この卵もまたこだわりの逸品。日本ではまだまだ珍しい国産の平飼い有精卵を使用しているのです。
一口ほおばると口の中に卵のリッチな味わいが広がり、その卵感を満喫することができます。大振りのイチゴは、丁寧に煮詰められ、イチゴの風味と形を残したまま贅沢なコンフィチュールに。お腹は膨れましたが、食べ終わった瞬間にまた食べたいと思ってしまうような一品でした。
水を一切加えずに完成させた究極のかき氷、苺氷
最高のイチゴスイーツを作ることをテーマとして生み出された「苺氷」。イチゴを丸ごと全て使用するというアプローチ方法は他には例がなく、いかに青臭さを封じ込めたまま、フレッシュなイチゴの風味を残すかがミソだと近藤さんは語ります。
かき氷ともアイスクリームとも違う初めての食感。口に含むとゆっくりととろけていきます。水は一切加えずに作るという製法だからでしょうか、時間が経ってもほとんど溶けず、最初から最後までほぼ同じ食感を楽しむ事ができました。かき氷のようなキーンとした冷たさはなく、食感同様に優しくまろやかな冷たさも魅力です。
サイドには練乳味のかき氷も付き、練乳イチゴの感覚で頂く事のできる冷製スイーツ。イチゴの甘酸っぱさだけを取り出して凝縮したような味は、「苺氷」の名にふさわしく、イチゴ好きなら一度は味わいたい一品です。
美味しいものを自宅でも。料理教室開講の意味は?
「雪ノ下」では、なんと看板メニューであるパンケーキの作り方を教えてくれる料理教室を定期的に開講しているのだとか。一般的には門外不出である事が多い店独自のレシピを、一般に向けて公表するとは、少々人が良すぎるのでは?何か秘密があるのかと思い、近藤さんに探りを入れてみました。
近藤さんの回答は、「(私は)母親や親しい方が作るものが一番美味しいものだと思います。そのお手伝いが出来ればと思います。そこで雪ノ下の話がでれば気の長い話かもしれませんがブランド力も上がるのではないでしょうか。」というもの。カフェに足を運ぶことができる方だけでなく、カフェに来ることができない方も視野に入れた取り組みなのだという事がよくわかりました。
それだけでなく、今後は「雪ノ下」メニューのテイクアウトや通販、宅配などの事業も検討しているのだとか。まさにカフェのアウトリーチ化とも言える取り組み。多様性が広がる社会に対して、カフェの新たなビジネススタイルを提案された気がしました。
日々新しい事にチャレンジしている「雪ノ下」。今は低糖質メニューの開発にも力を注いでいるのだとか。今後も注目していきたいカフェです。絶品「苺氷」を味わいたい方は、銀座店限定ですので、お気をつけ下さい。
カフェ&スイーツ雪ノ下銀座店
東京都中央区銀座1-20-10 トマトハウス3階
070-5517-9506
平日: 11:00-21:00 LO20:20
土日祝: 11:00-19:00 LO18:20
定休日: 月曜日(祝祭日は営業、翌日休み)
臨時休業については、HPなどでご確認下さい。
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