東急池上線の千鳥町。蒲田と五反田を繋ぐこの沿線は、都心へのアクセスは抜群ですが、街全体にどこか懐かしさが漂うエリア。そんな千鳥町の駅から徒歩1分。マンションのような建物の二階にひっそりと店を構えているのが大人の隠れ家「ザ・リビング」です。
ザ・リビングができるまで
7年前にザ・リビングを開店したオーナーの峯岸暁さんの本業は、音響関係の会社の経営。このお店は当初峯岸さんの会社の会議室として使っていた場所だったと言います。会社の会議室がなぜカフェになったのか?それは峯岸さんのふとした一言が発端になっていました。
「カフェがない。」
当時千鳥町周辺には、仕事の休憩時や友人との待ち合わせなどのちょっとした時に気軽に入ることができるようなカフェがなかったのだと言います。ないなら自分で作ってしまおうという発想でスタートしたザ・リビング。しかし、「やるなら楽しく、他の店にないものを提供したい!」峯岸さんの食へのこだわりがオーナーとしての情熱に火をつけました。
昔から旅好きで食通だったという峯岸さんは、旅をすると必ず現地でしか食べることのできない異国の味に触れてきたと言います。それらの経験から、ナポリコーヒーやエッグベネディクト、季節のフルーツのパフェなど人気メニューを次々と考案。SNSを中心とした口コミ効果で人気は瞬く間に広がり、全国各地から「ザ・リビングのあのメニューを食べたい!」とお客さんが集まるようになったと言います。
採算は度外視
「楽しいのが一番。」
お店のモットーについて質問した時の峯岸さんの返答です。確かにザ・リビングのメニューは眺めているだけで楽しく、自分が注文したものだけでなく、お隣のテーブルで提供されるものまでカメラにおさめたくなるものばかり。しかしメニューを眺めていると、どれも「これで元は取れるの?」というような価格設定なので驚かされます。元々オーナー峯岸さんの趣味が高じてできたお店という事もあり、なんと採算は度外視。ほぼ原価でメニューを出しているのだと言います。儲からないのになぜ?とありきたりな質問をしてみたところ、そこには峯岸さんが学生時代を過ごした関西での経験がありました。
大学時代に過ごした関西では、学業の傍ら、暇があれば食べ歩きをしていたという峯岸さん。毎日評判の高いお店を訪れているうちに、名店と言われるお店は、どこも美味しさだけでなく良心的な価格設定であること、そして店主もお客さんも一緒に楽しんでいる雰囲気があることに気が付いたと言います。抜群に美味しいけれど気取らず良心的。そして何より楽しいというのが、峯岸さんが目指すお店の形なのです。
「いちご畑のまかない」について
今回取材させていただいた「いちご畑のまかない」もそんな精神から生まれたメニューなのだとか。「いちご畑のまかない」は、ザ・リビングで使うイチゴの仕入れ元である武笠農園さんで、園主の方が実際にランチタイムに召し上がっている特大イチゴサンドを再現したものです。このイチゴサンド、なんと通常のイチゴサンドとは真逆の発想で、イチゴでパンを挟むというダイナミックなメニューなのです。ある日そのサンドイッチを目にした峯岸さんが「これ、うちのメニューで出したら面白いかも」と思いつき、試作としてお客様に出してみたところ大ウケ。すぐに新作メニューとして提供を始めたのだと言います。イチゴ農園と直接取引のあるザ・リビングだからこそ実現した夢のようなメニューです。
イチゴは大きければ大きいほど美味しい。イチゴ好きやイチゴの生産者は口を揃えてそう言います。イチゴは先端部分が一番美味しいと言われています。イチゴの先端部分は糖度が高いため、凝縮した甘みを感じることができるからです。大振りのイチゴは、その先端部分の幅が広いのが特徴。つまり、イチゴの凝縮した甘さをより多く感じることができるのです。「いちご畑のまかない」は美味しさが極まる大粒イチゴをふんだんに使った贅沢なメニューなのです。
「いちご畑のまかない」実食レポ
超大粒のイチゴでしか作る事のできない「いちご畑のまかない」を早速実食。イチゴサンドなのにナイフとフォークを使っていただくとは、なんとも不思議な感覚です。
その日の朝峯岸さん自らが収穫したというイチゴは、鮮やかな赤色。表面はつやっつやです。縦半分にカットされ、中に食パンと生クリーム、そしてチョコレートソースやキャラメルソースが少し。イチゴの味を引き立てるように、甘さは控えめです。なんといってもイチゴのみずみずしさが際立ち、後味もとても爽やか。
プレートにはイチゴアイスやチョコレートなどが盛り付けられたミニパフェもついてきました。しかし、これ、なんとパフェではなくイチゴサンドのトッピングだったのです。特大のイチゴサンドを食べ進めているうちに、味の変化が欲しくなるかもしれない。そんな方のために、お好みでトッピングを楽しむことができるように、との気づかいでした。確かに、ボリューム満点のイチゴサンドは、それだけでも十分美味しいのですが、トッピングによって楽しさのバリエーションが広がりました。
私が取材に訪れた日は、「いちご畑のまかない」終了間際。イチゴのサイズが少し小さめだったという事で、なんとイチゴサンドの上に普通サイズのイチゴをトッピングしていただきました。それでもこの大きさ。イチゴ好きには大満足のイチゴづくしの有難いランチになりました。
ザ・リビングのイチゴメニューはゴールデンウィーク頃まで
今回取材した「いちご畑のまかない」は、今年はすでに終了してしまいましたが、大人気メニューの「座ったままイチゴ狩り」などメガ盛りイチゴパフェ各種はイチゴの季節が終わるまで販売予定とのこと。その年のイチゴの生産状況によりますが、例年だいたいゴールデンウィーク頃までだそうです。
店内の座席数は限られているため、予約して行くのが確実です。メニューによっても予約が必要なものがありますので、詳細についてはザ・リビングのFacebookページをご確認下さい。
ザ・リビング
東京都大田区千鳥1−19−5
東急池上線「千鳥町」徒歩1分
10時~16時(火・水は定休日)
03-6410-9779
公式HP http://www.the-living.com
公式FB https://www.facebook.com/the.living.tokyo/
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