日本国内だけでなく海外からの観光客で賑わう東京浅草。様々な国の言葉が飛び交う浅草の一角で、なんとイチゴ100%のジュースを飲むことができると聞いてやってきたのが、ここ「杜のいちご」です。
「杜のいちご」は、蔵王にあるイチゴ農家直営のイチゴスイーツ専門店。雷門をくぐって仲見世に入り、最初の角を左折した「雷門柳小路」にお店はあります。観光客や修学旅行生などがひっきりなしに注文に訪れる人気店ですが、店員はなんと店主の河村敦子さんと河村さんのお母さんのお二人のみ。忙しい合間にも、試作品を味見させて下さったり、お客さんと会話を弾ませたりと、家族経営ならではの温かさを感じました。観光地のど真ん中に表れた、地元の馴染みのカフェのような雰囲気の「杜のいちご」。いったいどんなお店なのでしょうか!?そしてイチゴ100%のジュースの味とは!?
規格外というだけで売れない…そんなのおかしい!
「杜のいちご」オーナーの木村実さんは、店主の河村敦子さんのお兄さんにあたる方。蔵王でイチゴ農園を営んでいます。木村さんは長い間、ハウスで栽培された規格外のイチゴをどうにかしてお客さん美味しく食べていただく方法はないだろうかと頭を悩ませていたのだと言います。築地や十日市場などの市場へ出荷できる規格内のイチゴは、全体の中のほんの一部。また、出荷しても運送中の傷などが原因で返品されることもあるのだそうです。
返品されたり、そもそも出荷されなかったりという規格外のイチゴを有効活用できないか?
自分達の手で直接お客さんに何らかのサービスを提供することはできないだろうか?
そうして考え出したのが「杜のいちご」の始まりだったのです。
もう一つの大きなきっかけが東日本大震災でした。木村さんと河村さんのご両親は被害の大きかった石巻市に住んでいましたが、震災を機にご両親を都内に呼び寄せたと言います。家族みんなで一緒に力を合わせて「杜のいちご」をやってみよう!と店舗オープンへ向けてどんどん話が進んでいったと言います。そうして2年前の2016年に浅草でお店がオープン。店内の壁やカウンターを飾る色鮮やかなタイルは、なんと家族全員で手作業で貼ったのだとか。
通常、お店は河村さんとお母さんの二人で切り盛りしています。開店すると休憩を取る暇もなく接客するため、開店前に軽い昼食を食べておくのだとか。しかし、浅草寺のお祭りの時などは、それでも追い付かない程混雑するのだそう。そういう時には、都内に住む河村さんのお姉さんや、木村さんの甥っ子さんたちがお手伝いに駆けつけてくれることもあると言います。家族や地域の人たちに助けられて今までやってこられたのだと河村さんは語ります。
「いちごジュース」にはイチゴが2パック分も!
「杜のいちご」のメニューは全てオーナーの木村さんが開発しています。その中でも特に自慢の看板商品「いちごジュース」には、なんとイチゴが約2パック分使われているのだとか。イチゴ農家直営店だからこそできる贅沢な量です。「いちごジュース」の原材料は、イチゴと甜菜糖で作った自家製シロップのみというシンプルさ。イチゴの味をそのまま味わってほしいから、水も氷も加えていないのだそうです。イチゴは、香りのよい生のイチゴと、ひんやりした冷たさを出すための冷凍イチゴを2:1の分量で合わせて作っているそうです。冷凍イチゴは、蔵王の農園で収穫後すぐに冷凍させ、冷凍便で届くのだとか。
「いちごジュース」をまず一口いただいた感想は、「香り高い」の一言!収穫されたばかりのイチゴのフレッシュな香りを感じる事ができます。取材にお邪魔した日は、「かおりの」「よつぼし」「あきひめ」「もういっこ」の四種類のイチゴが使われていました。夏場はどうしても酸味の強いイチゴが多いため、シロップで甘さを調整しているのだと言います。シロップも既製品では添加物が気になるため、小さなお子様から安心して飲んでいただきたいという気持ちで、甜菜糖だけを水で煮詰めた自家製シロップを作っていると言います。
「いちごジュース」はとても濃厚なため、食後の口直しの意味も込めて、カップの底には小さなクラッシュアイスが何個か入っています。そんなちょっとした気遣いもまた嬉しいですね。
イチゴを凍らせて削るから「いちご削り」!?
取材最中に河村さんのお母さんが人気メニューの「いちご削り」の作り方を実演してくださいました。かき氷器の通常なら氷を入れる部分に、冷凍イチゴを入れて薄く削っているのだとか。かき氷器から出てきたのは、イチゴ色のかき氷?と思いきや、なんと、かき氷の形状にスライスされた冷凍イチゴ。「いちごジュース」同様に、「いちご削り」にも水や氷は一切加えられていないのだと言います。そして完成した「いちご削り」は、なんと私の目の前に!有難いことに、サプライズでご馳走になってしまいました。
「いちご削り」には、冷凍イチゴで出来たかき氷の上に、練乳ホイップクリームがふんわりたっぷりと乗せられています。イチゴの直接的な味が特徴的な「いちごジュース」に対して、「いちご削り」はクリームとのハーモニーが絶妙なフローズンスイーツという感じ。冷凍イチゴのかき氷だけを頂くと、まさにイチゴ感たっぷりなのですが、練乳ホイップクリームと一緒に頂く事によって、まろやかさやコクが追加されます。イチゴの酸味がさっぱりしていて、練乳ホイップクリームとよく合うのです。夏の季節にぴったりの涼しげなスイーツ。お客さんの中には、「いちごジュース」と「いちご削り」をダブル注文している方もたくさん見かけました。これからの季節にぴったりのスイーツですね。
夏秋イチゴもお任せ!夏場も引き続き同メニュー継続
夏から秋にかけては、国産の生のイチゴを使ったイチゴスイーツはだんだん姿を消していきます。夏は気温が高く、ハウス内の冷房費がかさんだり、またイチゴの酸味が強くなってしまったりという理由から、生食に適した品質のイチゴ栽培が難しいというのが理由です。しかし、「杜のいちご」では引き続き「いちごジュース」や「いちご削り」、さらに生のイチゴをチョコレートにディップした「いちごショコラ」などが提供される予定です。これは、「杜のいちご」オーナーの木村さんが経営している蔵王のイチゴ農園が、夏秋イチゴの栽培にも力を入れているからです。蔵王のイチゴハウスでは、花粉を運ぶミツバチが暑さで巣に籠ってしまわない限り、通年で生食用のイチゴを出荷しているのだと言います。
国内でも比較的気温の低い蔵王は、夏秋イチゴの栽培に適した地域なのだそう。首都圏などでは巨額の冷房費がかさんでしまうハウス栽培も、蔵王なら可能なのです。一方で冬場の冷え込みは厳しく、木村さんのイチゴハウスでは温泉のお湯を利用した天然の暖房によって、エコ栽培を行っているのだとか。季節によって様々な工夫をしながら、美味しいイチゴを探求しているのですね。
「杜のいちご」では、その日のイチゴが終わった時間が閉店時間となります。早い時間に行くとより確実にお目当てのメニューを購入することができるでしょう。また、大雨などの気候によっては、イチゴが配達されなかったり、配達が遅れてしまったりという事もあるそうです。そういった場合は、お休みになったりメニューが一部変更したりという事もあるのでお気をつけ下さい。
杜のいちご
東京都台東区浅草1-18-12
浅草駅から徒歩3分
03-5830-7015
11:00~イチゴ終了まで
定休日:月・火
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